営業の最大の難所と言えばやっぱりクロージングですよね!
訪販で年収1000万以上を数年に渡って達成した私が、即決のさせ方と合わせてBtoCでのクロージングのコツについて説明していきたいと思います。
※基本はBtoC向けの内容ですが、BtoBでも実際に話す相手は個人ですので、少なからず活用できる部分があると思います。
クロージングとは
クロージングとは商談の最後、契約を促す部分の事でここを苦手にしている営業が一番多いと言われています。
この記事では才能や能力は関係なく、誰がやっても上手くいくクロージングのやり方をまとめたいと思います。
これから説明する3つの方法を実践してもらうだけで、確実に契約率がUPしますので是非参考にしてください。
クロージングは一言で終わらせる
クロージングに入ったら
『じゃあこれでお願いします』
と言い、相手がしゃべるまで一切口を開かない
これが絶対にやらなければならない一つ目の秘訣になります。
簡単ですね!(実際にやるとかなり怖いですが難しくはありません)
実はこれを実行するだけで今までよりも大幅に契約率がUPするんです。
なぜかと言うと、クロージングが苦手な人は、断られるのを怖がっていらない事をしゃべってしまい、その間に相手の買う気が冷めてしまったり、何か失言をして、売れるはずだった商談を自分からダメにしてるんですね。
あなたの説明だけで買う気になってくれる人がいる、という事を常に忘れないようにしてください。
2割は誰が話しても契約になる
6割は営業の実力次第
2割は誰が話しても無理
まずはこの最初の2割を確実に決められる(余計な事を言って取りこぼさない)営業を目指しましょう。先輩や上司も最初からたくさん契約が取れるとは思っていません。
※買って下さいと言い切って、相手にハイと答えてもらえる経験を積むと、だんだん自信が付いてきますよ。
余談
先日冷蔵庫を買ったんです。買うまでに何店舗も回って結構時間を掛けたんですが、買う時は店員さんを呼んでこれ下さいと言うまで1分もかかりませんでした。
この時改めて思ったんですが、要はこういう買う気になってる人に余計な事を言わないってのが非常に重要だなと。
たまたま店員さんがベテランだったのもあってか、こっちがすぐに決めても、それが当たり前かのような顔で会計に案内してくれましたが、これが経験の浅い店員さんだとビックリして、「え!?いいんですか!?」とか言ってくる訳です。
こっちとしては余計なお世話ですよね。
この場合はもう買うと決めてるのでいまさら断ったりはしませんが、営業での商談中はそうはいきません。
相手が買う気になってるのに断られるのを怖がっていつまでもクロージングしないでいると、相手の買う気が無くなってしまうので注意しましょう。
買って当然、当たり前くらいのつもりでいればいいんです。
次に悪いクロージングの例と、一番避けたい返事待ちになってしまう原因について説明します。
やってはいけない『お願い型と質問型』クロージング
クロージングで絶対にしてはいけない言い方が二つあります。
それはお願い型と質問型です。
お願い型
『そこを何とかお願いしますよ』
質問型
『やっぱり無理ですかね?』
このような言い方をすると
返事待ちになる確率が跳ね上がります!
そして、これで売れたとしてもなんかスッキリしないんです。
なぜなら、今後もずっとこうやってお願いして買ってもらわないといけないのかという不安を持ってしまうからです。
こういうクロージングをしていると
営業の仕事=不要な物をお願いして買ってもらう仕事
になってしまいます。
これでは営業を長く続けるのは難しいですよね?
次に、返事待ちになる時に営業がやってしまっている、会話のパターンを見ていきましょう。
即決させられないクロージングのパターン
みなさんは即決得意ですか?
私はかなり苦手でした。
クロージングそのものより、即決が苦手だったんじゃないかと思うぐらいダメでしたね。
基本的には、返事待ちになったらほとんど契約にはなりません。(なったとしてもそれは偶然だと思ってください)
なぜ結果待ちになってしまうのかというと、きっかけはさっき説明したお願い型や質問型のクロージングにあります。
『これで決めていただけないですかね?』
『これでなんとかお願い出来ませんか』
これって厳密に言ったらクロージングじゃないんですよ
クロージングは
買う OR 買わない
の二択になるような聞き方をしないといけません。
ですが、こういう聞き方だと相手にとっては
決める OR 決めない
の二択に聞こえてしまうんです!
そうすると
『うーんもう少し検討させて下さい』
と言われる展開になってしまいます。
これに対して私は
『分かりました、ではいつ頃お返事を頂けますでしょうか?』
と自分から言っちゃってました。
これでは100%即決にはなりませんよね笑
そして後日『検討させていただいたのですがお断りさせて下さい、色々と説明していただきありがとうございました』
と、断りついでにお礼なんか言われて、感謝された事になんとなく満足感を覚える。なんて事を繰り返してました。
即決させられない理由は、元をただせば自分の聞き方が悪いんです
このように買うか買わないかの二択を迫れない理由は
一度断られたら終わり
だと思ってしまっているからです。
断られた後にどうしたらいいか分かってたら、少しは怖くなくなりますよね?
それには次に説明する二つ目の秘訣が参考になるはずです。
相手の為に話す
二つ目の秘訣は、断られた後は相手の為に話すという事です。
みなさんは
『営業は断られてからがスタートだぞ』
なんて言われた事ないですか?
そう言われて当時私がやっていたクロージングを恥ずかしながら特別にお教えしようと思います。(分かってると思いますが悪い例なので真似しないでくださいね)
・いや高くはないですよ!さっき説明しましたよね?だから買って下さい
・さっきこういう物があったら欲しいって言ったじゃないですか!だったら買って下さい
THE 押し売り
って感じですよね。
本来気が小さいので、断られたらあっさり帰ってたんですが
「一度断られたぐらいであきらめるな、もっと粘ってこい!」
って上司に怒られたのでこんな事を言ってたんですよね…
もうすごかったですよ、相手の顔が。人間こんなに嫌そうな顔が出来るんだなってぐらい(そうさせてるのは自分なんですが)
こうなるともう自分の辛さの方が半端じゃない訳です、この頃が一番営業辞めたかった時期かもしれません。
この状態から脱出できたのがこの相手の為に話すという方法です。
では具体的にどうしたらいのか見ていきましょう。
相手の為に話す
私もそうでしたが、クロージングが苦手な人のほとんどが
粘る=悪 だと思ってしまっているんです。
確かに、相手が断ってるのにまだ勧めるっておかしいですよね。
良く分かります!
そんな私でも罪悪感なし、相手にも嫌がられずに、長時間粘れるようになったのが、この相手の為に話すという方法です。
ただ、これが簡単なようで意外と難しいんですよ、慣れてないと
「あなたの為になるんで買った方がいいです!」
「為になるのになんで買わないんですか?」
のような言い方をしてしまいがちです。
大事なのは
ということです。その為にまず自分自身が、この商品を買った方がお客さんの為になると思えるポイントを、クロージング前に見つけておかないといけません。
逆に、これを見つけるまではクロージングに入らない方がいいぐらいです。
これが出来るようになると自然と相手の為に話せる状態になってきます。
では実際にどのように話せば相手の為になるのか、具体的例を見てみましょう。
相手の為に話していない悪い例(車の営業の場合)
これは最悪です!
最初に、決めてくださいと言い切ったところは良かったですが、その後が良くありません。
まずYES,BUT法が使えてないってのは言うまでもなく悪いところですが、なんと言っても商品の良さばかり押し付けて、全く相手の為に話してません。
これだと、相手ももちろん嫌ですが、自分もつらくないですか?
無神経な人なら大丈夫なのかもしれませんが、いつぞやの私みたいに、相手が断ってるのにしつこく勧めるのってきついですよね。
これでは断られるのが怖くなって当たり前です。
相手の為に話しができてる良い例
突然家族旅行の話が出てきましたが、こういう材料をクロージング前にたくさんリサーチしておくのが相手の為に話す時のポイントです。(これなら自分自身も、この人には大きい車の方がいい、って自然に思えますよね?)
そしてあくまでも自分が売りたいんじゃなく、あなたの為に話してるんですよという姿勢を崩さないようにする(売り気を見せない)事が大事です。
これは例なのであっさり契約まで決まりましたが、毎回こんなに簡単だったら苦労しないと思います。
では、どうしても買ってくれなかった時の最後の手段をお教えします。
買わない本当の理由を聞き出す
最後の手段っていうぐらいなので、この状態から契約になる魔法のテクニックが出てくると思った人には申し訳ありません。
無理な物は無理なんでいさぎよく諦めるのも大事です。トップセールスだって売れない商談はたくさんありますから。
ただ、折角こっちも時間を使って話したんですから、お客さんからお土産をもらって帰りましょう。
それは「契約しない理由」です。これは正に買ってでも欲しいぐらいの情報です。
なぜなら
からです。
ただ、普通に聞いても本当の理由は中々言ってくれません。
相手も、断る気まずさから当たり障りのない事を言ってきがちです。
(相談してみないととか、お金がないのでとかはまず本当の理由じゃありません)
では上手に本心を聞き出すにはどうしたらいいかと言うと
まず、もう勧めませんよって事を分かってもらう為に、資料も手帳もペンもとにかく全てしまいます。
そしてこう言います。
ここまでしてようやっと本当の理由が見えてきます。
話は変わりますが、私が上司に言われて印象に残ってるのが
買わない人は客じゃないという言葉です。
私は本当にクロージング下手で、後日返事をしますと言われては、断られるってパターンを繰り返してたんですが、その時に
『どうせ買ってもらえないんだから、遠慮しないでなんで買わないのかを聞いてこい』
と言われたんです。
結果待ちのほとんどがダメになり人間不信になりかけてた事もあったし、半分開き直りで断る理由を聞き始めたんですが、その結果驚きの事実が判明しました。
なんと、全く落ちてなかったんです!(落ちてない=買う気になってない)
全然こっちの話が相手に伝わってなかったんですね。
これも即決を迫ったからこそ知ることが出来る情報です。
話を戻しまして、断る理由の聞き出し方が分かったところで、ここからは私が言われた断り文句を例に、トークのどこがいけないのかを説明していきましょう。
私が言われた歴代断り文句BEST5と対処方法
よく考えたら、売れなかった商談なのでBESTってのはおかしいですかね。
多分この5つで、営業をやってて言われる断り文句の大半は網羅出来ると思います。
第一位 高い!!
特に営業を始めた最初の頃にものすごく言われた断り文句です。
高いと言われるのは、商品の価値が伝わってないからです。
この場合、まず見直さなくてはいけないのは商品説明です。
次に、商品の必要性を説明しているところ、この二つを見直しましょう。
特に必要性の部分は大事です。
だって、必要じゃないものの性能がいくら良くても買わないですよね?
例えば浄水器を売りたいとして、必要性が伝わってない状態で、いくら必死に商品説明をしても売れません。
必要だと思ってない人に、「この浄水器は一分間に○リットルの水を浄水できるんですよ!」って言ったところで買いたくはなりません。
この例で言えば、水道水は危険だと訴える事が浄水器の必要性につながります。
第二位 今買わなくてもいい!
これは返事待ちになる流れの時に言われる断り文句です。
この場合は、今買う事のメリットや、今やらないといけないという危機感が相手に伝わっていません。
トークの中で、今始める必要性や、今のままではいけないという危機感を訴えている部分の見直しをしてみてください。
一言で言えば
と相手に思わせないといけません。
また浄水器を例にすると
今までの毒素が体内に蓄積してるから、今日どころか、今すぐにでも浄水器をつけないと危ない、といったような具合です。
なんだか例えが悪くて申し訳ありませんが、言いたいことは分かってもらえたと思います。(私は水道水飲んでます!)
また、ニュースで取り上げられたりする事もありますが、マンションの営業で、商談中に同僚に自分の携帯に電話させて
『売れたんですか、じゃあ残り一つですね、分かりました』
みたいな会話(実際はウソ)をして、今決めないと完売してしまう(=損をする)と思わせる
という方法もよくありますね。
他にも教育系の営業などで
掛け算が出来なければ割り算が出来ないように、今お子さんは授業を聞いてても全然理解できない状態になってしまっています。今すぐに対策しないと本当に大変な事になります。
といったトークも相手に今すぐ始めないといけないという危機感を持ってもらう事が出来るでしょう。
こういった例を参考にして、嘘や騙しではないトークを自分が扱っている商材に合わせて考えてみましょう。
ちなみに、危機感が伝わってない時の返事待ちは100%断られます。
あっても無くてもいいような物を検討して、良く分かんないけど一応買っとく事にしました、なんて人は存在しませんので。
第三位 別になくても大丈夫
これは割と一番ショックなやつです。
要は何一つとして自分のトークが相手に伝わってないって事なので。
これを言われると、どこを見直せばいいのか難しいんですが、あえて言うなら全部ですかね。
全部見直してもまだ言われるようなら、アポの質を見直すべきです。
ここは経験が物を言いますので、アポの数を増やして良い悪いを見抜けるようになっていきましょう。
第四位 同じような物がもっと安く買えるんじゃない?
これを言われたら商品説明を中心に見直す必要があります。
事前に競合商品をよく調べ、違いを確認しておきましょう。
別の切り口として、自社製品が競合他社に勝っている部分をアピールしてアポを取ると言うのも大事な考え方の一つです。
そうすればこういった断りを減らす事が可能です。
第五位 信用できない!
これもなかなかショックです。
信用できないのが会社なのか、商品なのか、自分なのかによってまた違ってきますが、一番は社会的に認められてる(テレビで宣伝してるかとか、有名な学者が推奨してるとか)という事が伝わるようなトークや資料があるといいです。
訪問販売の人って、必ず近所の○○さんのところでも契約してもらったんですが、っていいません?これも信用性を上げる為に使ってるトークな訳です。
ちなみに私がこういう時に使ってたのは、逃げも隠れもしませんって意味で『だったら免許証見せますよ、もし私の言っている事が嘘だったら家まで文句言いに来てもらってもいいですよ!』というトークでした。(幸い本当に見せろって言う人はほとんどいませんでしたが)
みなさんもまず自分が信じてもらえるように気を付けましょう。
番外編 検討させてください
なんでこれがランキングに入らないかと言うと、断り文句というより、他に理由があるけど言いにくい時によく使われるセリフだからです。
例えば
うーん、高いから断りたいけど、折角一生懸命説明してくれたし、価値があるとか力説してたから高いって言ったら何か言われそうだよな~、よし、一旦検討するって事で話を終わらせよう!
相手の気持ちは九分九厘こんな感じです。
検討させてくださいと言われたら、何が納得いってないのか(何を検討するのか)を探りださないといけないのですが、断られてる訳じゃないので断る理由はなんですか?とは聞けません。
こんな時便利なのが
「検討したい部分だけ教えてもらっていいですか?」
という言い回しです。これは結構万能に使えます。
これで答えてくれればその部分について再度クロージングをかけていきますが、中には全然教えてくれない人もいるんですよね。
こういう人はかなり厄介です。どうしても言ってくれなければ、破談になってしまうリスクもありますが、こう聞いてみて下さい。
これに対してあっさりと、だったら断りますと言ってくるようであれば全く落ちてません。ここから契約に持ち込むのは難しいので、断る理由を聞き出す方向に切り替えましょう。
検討しますという人は、極論すると自分が悪者になりたくないタイプです。
はっきりと答えて非難されたくないし、理由を言って反論されたくもないんです。
ですから普通に聞いても簡単には教えてくれません。この場合は言い方を少し工夫してみましょう。
例えば
「今日の話の中で一つだけ疑問に感じた事をあげるとしたらなんですか?」
「もしこうだったら今日決めてたって部分はありますか?」
逆にこっちから断るように仕向ける方法もあります。
「今決めてもらわないといけないんですが、どっちにします?」と聞けばおそらく「じゃあお断りします」と言うと思いますので、そうなればスッキリと要らない理由を聞く事が出来ます。
このようにあの手この手で断る理由を聞き出す事で、思わぬ突破口が開ける事もあります。
例えば、相手がセットで買わないといけないと思い込んで断ってたけど、そうじゃないと分かってあっさり契約になった、などは自分は割とよくありました。
(営業は高い商品から勧めるので、相手がそれしかないと思いこんでしまっているような場合)
「検討させて下さい」の話が一番長くなってしまいましたが、以上が私が言われた断り文句BEST5です。
自分が営業した相手からの「断り文句は教科書」、「そのお客さんは先生」みたいなものです。
とことんまで話してどうしてもダメだったら、最後に買わない理由を教えてもらってきて下さい。
で、その理由別にトークを見直していけば、気づかないうちにどんどん営業としてのレベルがUPしていきます。
まとめ
クロージングのコツをまとめると
買って下さいと言い切ったら相手の返事を待つ
→買う人はここで分かりましたと言うので取りこぼさない
→断るなら断る理由を言わせないと、次こっちが何を言っていいのか分からない
断られた後、しつこくならないようにするには相手の為に話す事が大事
→クロージング前に相手のニーズをより多くリサーチしておく
最後は断る理由を聞き出す
→これ以上勧めないという安心感を与える
→検討しますを真に受けると本当の断る理由が分からず成長できない
たったこれだけです。
別に特殊な才能も努力も必要ないです、思い切ってやるかやらないかしかありません。
最初は怖いかもしれませんが、やってるうちに慣れてきますので是非チャレンジしてみてください。
また、私が重視してるのは自分の心が辛くないクロージングのやり方です。
営業を初めて割とすぐに契約を取って来たのに辞めてしまう人って結構いるんですが、そういう人って聞くと大体「続けられる自信がない」っていうんですよ。
いくら契約が取れても続けられないんじゃ意味がありません。
例えば、押し売り、ゴリ押し、土下座営業だって数をあたれば一定の契約は必ず取れます。世の中にはそういうのに弱い人が必ずいるからです。
ただ、それを何年も続けられるメンタルの持ち主はほとんどいません。
ここで挙げた三つの方法で、売り上げは勿論ですが、精神的に楽になったと言ってくれる人がいればすごく嬉しいです。